こんにちは、齋藤翼です。
気づけば夏も半分ほどが過ぎようとしていますね。
夏休みと言えば、長期休暇などもあり、
割と他の季節に比べて思い出ができやすいんじゃないかな?
って思います。
今回はそんなひと夏の思い出をお伝えさせていただこうと思います。
2022年8月10日、死にかけました(笑)
昨年からご縁をいただいて、
新潟県にある八海山という山を登らせていただいています。
特に山ボーイ(あるのか、そんな呼び名)でもなく、
普段は平たんな道しか歩んでこなかった僕ですが、
2年連続で登らせていただきました。
一応、一応ですよ、
学生時代からバスケットボールをしてきているので、
見た目以上に運動はできます(笑)
ただ、近年は色々な事情があって
なかなかバスケットもプレーできていなかったので、
完全なる運動不足の状態で臨みました。
今年のテーマは「恩返し」
1泊2日で登るのですが、
昨年登らせていただいた際に
夜に山小屋で他の参加者の方とお酒を飲んだら
見事に、非の打ち所がないほどに
二日酔いになりました。
(そういう意味では昨年も死んでますね・・・)
山の頂上で二日酔いの最悪な状態で、
登ってきた道を下っていくわけです。
自分でもよく降りたなって改めて思いました(笑)
そんな状態だったので、
周りの方々にもご迷惑をおかけしました。
なので、
今年、再度挑戦をさせていただけることになった場合は
「皆さんのために何か恩返しがしたい」
とずっと思っていました。
僕が考えた恩返しは2つ。
1:元気で降りてくる
2:みんなで飲めるように水をいっぱい持っていく
ただそれだけです。
背負うモノの重み。
そんなわけで僕の今年の挑戦は始まりました。
胸には恩返しの気持ちと
背中には大量の水を背負って。
10キロくらいあったんじゃないか?
とささやかれるリュックを背負って険しい山道を進んでいきます。
運動不足がいい具合に僕の余力を奪っていきました(涙)
それでも、なんとか無事に山小屋まで辿り着きました。
しかし、
八海山にはその先に「八峰」と呼ばれる場所がありました。
昨年は台風の中、登ったため八峰への
挑戦は見送られていたのですが、
今年は晴れていたこともあり、挑戦することになりました。
しかし、午後から雨の予報も出ているということで
お昼を早めに済ませて雨が降る前に行くことになりました。
「えっ?飲んだっけ?」
正直、なめていました。
八峰は基本的にアップダウンの連続のため、
岩肌に打ち込まれた鎖を頼りに岩場を進む道になっていました。
そこへ運動不足と10キロのリュック(水は山小屋に置いてきた)で
削られた僕の身体が悲鳴をあげ始めました。
久しぶりに運動して気持ち悪くなる感覚を纏いながら、
「あれ?おれ、お酒飲んだっけ?」
と思ってしまうほど気持ち悪さと頭痛が襲ってきました。
心も8割くらい折れかけました。
だけど、
一緒に登ってきた仲間も頑張っているので、
僕だけが途中で脱落するわけにはいきません。
心身ともに限界を感じながらもなんとか最後まで登りきることができました。
行きは良い良い、帰りは・・・
最後の峰に辿り着き、お祈りをしていると
ポツ、ポツ、・・・
雨が降り始めて来ました。
しかも、なかなか強烈に。
急いでリュックからみんなの雨具を取り出し、
身にまとうものの、それを遥かに上回る量の雨が、
まるで僕達を禊ぐかのごとく濡らしていきました。
帰りは迂回路を使って帰ることになり、
鎖だけが頼りのアップダウンの道は避けることができました、・・・
が、しかし、
迂回路とは言えども、鎖の力をお借りしないことには
とてもじゃないが、進めません。
そして、その瞬間は訪れた。
雨が降りしきる中、迂回路をしばらく進み、
体力的にも、思考回路的にもだいぶすり減り
ぼーっとしてきていました。
「鎖は最初からつかんで、絶対離しちゃダメだよ」
同行してくださった方の言葉だけが僕の頭に残ります。
そんな状態で進んでいくと、
鎖は掴むのに身体は山肌に向けなければいけないけど、
前に進むためには前を向かなければいけない、
というなんだかよく分からない道にさしかかりました。
フラフラしながらも、乗り越えて、
また同じような道に踏み込んだ次の瞬間・・・
ズルッ
ガンッ!
雨に濡れた足場で足を滑らせて
気付いたら両手が鎖を掴んでいるだけで
足は宙に浮いている状態でした。
そのとき、周りの方々も妙に冷静で
「あのとき、齋藤くんが落ちる気はしなかった」
と後で言われるほど、みんなが落ち着いてくれていたおかげで
「どうしようかな・・・落ちるわけにはいかないから登るしかないな」
と僕も妙に冷静に鎖を頼りに足場を見つけて元に戻ることができました。
あの瞬間、もし手が離れていたら、
僕はたぶんこうしてブログを書くことは二度とできなかったと思います。
だけど、
まるで神様に護られているかのように
一度死んで、再び生き返ることができました。
まだ、生きているじゃないか!
今回の一度死んだ経験を通じて僕にどんな変化があったのか、
何を本当の意味で学ばせていただいたのか、
すぐには分かりませんでした。
でも、
生きながらえてから観た
映画「キングダム2」でつながっていきました。
ネタバレになるし、映画解説とかではないので内容は省略しますが、
作品中のセリフの中で
自分の限界を感じて自分はもう足手まといになるから
せめて他の仲間と逃げてくれ、みたいなシーンがあります。
逃げてくれと言った仲間に対して、
「お前はまだ生きているじゃないか!」
と檄を飛ばし、言われた仲間踏ん張り生き残るということになります。
そのセリフが妙に僕の中に残っていて
僕も一度死んだようなモノだった経験とつながっていき、
諦めて投げ出したりするのではなく、
この命が、魂が燃える限り、自分は前に進まなければいけないんじゃないか
と思いました。
生死の経験をすると人は強くなる、
なんて話を聞いたりします。
だからといって
「山に登って死にかけましょう」
なんてことは絶対に言いません。
そこまでする必要は全くありません。
では、
日常の中でも僕たちには何ができるのか、
どうやって前に進もうとすればよいのか。
それは、
「1日を全力で生きて、まだある命を大切にして、
その炎を絶やさぬように生きる」
ということなんだと思います。
僕たちはたとえ何度敗れたとしても、くじけたとしても、
まだ生きている限り何度でも立ち上がれるのです。
そこから、
みんなに喜んでもらえる自分に成長していけるのです。
そんな日々を積み重ねていけたら
人生は必ずいい方向へ進んでくれるはずです。
あなたの今日を、懸命に生きる姿が
周りの人たちを照らすことを祈っています。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
このお話が、
あなたの今日を、明日を、
そしてこれからやってくる未来を、
ほんの少しでも良い方向へ進める
キッカケになることを祈っています。
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